若造挨拶列伝WAR011「皆さん目を閉じて思い浮かべてみてください」
「こんにちは」「ハロー」という挨拶じゃなくて、「え~~本日は…」というような過去に若造が公の場で語った挨拶の数々を思いだしだし、書いていきます。
◆初代生徒会長編その6<第一回学校祭③ 花火の代わり…>
「皆さん目を閉じて思い浮かべてみてください」…いや
絶対無理だって。そんなことは言えないです、自信ないですって悩んでタマ屋~。
※実際の挨拶はしていないが、どうしても本人のたっての希望で列伝入り。
「学校祭初日の締めは花火、その代わりの挨拶」…無理だって。
◆背景
第一回学校祭の一日目。開会宣言・○×ゲームの司会で挨拶の仕事は終わり、人文字の屋上撮影や人間頭上早送りは一般生徒として参加・仮装大会の審査委員・フォークダンスの人数調整などしていました。
ちなみにフォークダンスの人数調整は、女子が多かったので、一定の女子を男子のパートで踊ってもらう依頼・誘導。ずーっと男子パートだとかわいそうなので、ある程度の時間で他の女子と交代させるんです。もうすぐ憧れの男子と手をつなげるって思っていて引き裂かれた女子もきっといたことでしょう…改めましてごめんなさい。
そうこうしてるうちに段々と暗くなってきました。終了予定時間も着々と迫ってきて、
後は最後に打ち上げ花火をみんなで見上げて終了!…と思っていました。
◆30分延長…
生徒会担当の先生が私の所に来て耳打ちします。
「花火屋さんが来ない。連絡も取れないから、フォークダンスを30分延長してそれでも来なかったら会長の挨拶で締めよう!」…なんという無茶振り。確認のために会長とは生徒会長の若造です。いや絶対無理だって…人の代わりの挨拶ならまだしも(人の代わりも実際はきっと大変です…でも)、
花火の代わりって普通しないでしょう。音マネも形態模写もできません…。
◆助言
頭が真っ白な状態というのを体験しました。何も考えられないんです。近くにいて事情を知っていたY先生が「目をつぶって花火を思い浮かべてもらうとかね…」と一言助言をしてくれました。なるほどそうかと思って、その路線で挨拶を考え始めました。でも無理です。「花火の代わり」って器も違うし、華々しさも、明るさも、人気も、
ルックスもルクスも全然違います。そんな花火を思い浮かべるなんて、キザっぽくてカッコよすぎます。
◆時間です
何も考えがまとまらないまま、延長の30分もそろそろ過ぎそうな時間です。どう考えても花火の代わりは無理です。花火の代わりではなく若造の挨拶をしようと、開き直った瞬間奇跡が起こりました。
誰もいないはずのグランドの端の暗闇から、見知らぬ男性が走ってきます。
◆T高校って隣りです…ちょっと離れてますが
「いや~ごめんなさい、花火屋です。間違ってT高校に言ってました。もうセットしてありますので、いつでも打ち上げられますので合図ください。」と担当の先生達に混じって若造も話を聞いた。そして
腰が砕けそうになりつつも進行し、切りのいい所で曲を止めフォークダンスを終了させた。
◆きれいな花火でした
「皆さん目を閉じて思い浮かべてみてください」の先は考えていなかった。花火屋さんの登場により封印された挨拶は「タマ屋~」という叫び声に変わった。みんな空を見上げているので、若造の涙は誰にもばれなかった。