カピローグに
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2010年09月30日
シリシリウリウリー19:次はアテネ
次はアテネ
本島北部、本部町備瀬に心安らぐペンションがある。親方自ら捕まえた魚で握ってくれるお鮨。満天の星を見ながらのバーベキュー。自家製の野菜たっぷりの朝食。趣のある手造りの漆喰の壁。元気をもらえる大きなガジュマルの木。東シナ海へ沈む夕日。もちろん青い空、白い雲、エメラルドグリーンの海。でも何よりのご馳走は家族のように接してくれる人々の暖かさ。心地よい空間が心を癒してくれる。
今年の5月、遅くなって午後9時ぐらいの訪問。私を出迎えてくれたのは「芸者花」という白い花。車からおりた途端に甘い香りいっぱいに囲まれた。正式学名はわからないが地元では「芸者花」と呼ばれている。飲んで騒いだ後、甘い香りのことを思い出して駐車場に向かう。場所を間違ったかと思ったが、車の周りには甘い香りも白い花の姿も全くない。実はサボテン科の「月下美人」の如く夜の限られた時間に花を咲かせるとのこと。今でもこの「芸者花」のことを思い出すとなぜだか心が休まる貴重な出会いに感謝。
オリンピックに沸く9月の土曜日、備瀬の豊年祭に招かれたというか押しかけた。備瀬地区の豊年祭は4年に一度。観客席の日に焼けた顔のおじぃ達のスーツ姿と、お洒落をしているおばぁ達の姿に “本気さ”を感じる独特の雰囲気がある。4時間以上にわたる舞台演目は衣装や音響設備も立派で、三線との息もピタリ。1ヶ月以上の毎日の通し稽古の賜物である。演目の棒術の練習も毎日だが、当日舞台に立てるのは長老達による豊年祭前日の選考で決定する。選抜されるために技を磨き競い合う。
豊年祭の朝、部外者立入禁止で海の向こうの「ニライカナイ」から来訪神を迎えて収穫感謝と次の年の豊作を祈願する。“本気さ”を感じた雰囲気は発表の場ではなく、来訪神への奉納のためであった。
その日も会話が楽しく、お酒がうまくて、明け方近くまで飲んだ。エネルギー補充にはことかかないが、寝不足で身体の休息には少し足りない。今度はゆっくりと2泊したいと思っているとおかみさんに「また豊年祭を見にきてくださいね」と笑顔で言われた。騒ぎすぎたので4年間立入禁止という意味でないことを心から祈る。
※沖縄JOHO 2000年10月号掲載

全24作品⇒若造沖縄新鮮体験コラム「シリシリウリウリー」インデックス

若造作品保存館⇒若造アーカイブズ
本島北部、本部町備瀬に心安らぐペンションがある。親方自ら捕まえた魚で握ってくれるお鮨。満天の星を見ながらのバーベキュー。自家製の野菜たっぷりの朝食。趣のある手造りの漆喰の壁。元気をもらえる大きなガジュマルの木。東シナ海へ沈む夕日。もちろん青い空、白い雲、エメラルドグリーンの海。でも何よりのご馳走は家族のように接してくれる人々の暖かさ。心地よい空間が心を癒してくれる。
今年の5月、遅くなって午後9時ぐらいの訪問。私を出迎えてくれたのは「芸者花」という白い花。車からおりた途端に甘い香りいっぱいに囲まれた。正式学名はわからないが地元では「芸者花」と呼ばれている。飲んで騒いだ後、甘い香りのことを思い出して駐車場に向かう。場所を間違ったかと思ったが、車の周りには甘い香りも白い花の姿も全くない。実はサボテン科の「月下美人」の如く夜の限られた時間に花を咲かせるとのこと。今でもこの「芸者花」のことを思い出すとなぜだか心が休まる貴重な出会いに感謝。
オリンピックに沸く9月の土曜日、備瀬の豊年祭に招かれたというか押しかけた。備瀬地区の豊年祭は4年に一度。観客席の日に焼けた顔のおじぃ達のスーツ姿と、お洒落をしているおばぁ達の姿に “本気さ”を感じる独特の雰囲気がある。4時間以上にわたる舞台演目は衣装や音響設備も立派で、三線との息もピタリ。1ヶ月以上の毎日の通し稽古の賜物である。演目の棒術の練習も毎日だが、当日舞台に立てるのは長老達による豊年祭前日の選考で決定する。選抜されるために技を磨き競い合う。
豊年祭の朝、部外者立入禁止で海の向こうの「ニライカナイ」から来訪神を迎えて収穫感謝と次の年の豊作を祈願する。“本気さ”を感じた雰囲気は発表の場ではなく、来訪神への奉納のためであった。
その日も会話が楽しく、お酒がうまくて、明け方近くまで飲んだ。エネルギー補充にはことかかないが、寝不足で身体の休息には少し足りない。今度はゆっくりと2泊したいと思っているとおかみさんに「また豊年祭を見にきてくださいね」と笑顔で言われた。騒ぎすぎたので4年間立入禁止という意味でないことを心から祈る。
※沖縄JOHO 2000年10月号掲載

全24作品⇒若造沖縄新鮮体験コラム「シリシリウリウリー」インデックス

若造作品保存館⇒若造アーカイブズ
Posted by 和家若造 at 16:19│Comments(2)
│アーカイブズ
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mono019:「流木にかかれたメッセージ」本島北部の本部町備瀬の海岸に流れ着いた流木に遊書家の西口賢治氏が書き入れたメッセージ。展示してあったペンションビセザキの熊さんより頂戴...
カピmono019:「流木にかかれたメッセージ」【和家若造のカピローグ】at 2007年01月20日 20:45
沖縄県内情報誌の沖縄JOHOに1999年4月~2001年3月までの2年間(24回)掲載された若造沖縄新鮮体験「シリシリウリウリー」です。ちなみに若造が沖縄に来たのは1998年8月でした。プチ背景⇒沖縄...
沖縄新鮮体験コラム「シリシリウリウリー」インデックス【和家若造のカピローグ】at 2010年09月30日 16:14
この記事へのコメント
雰囲気が伝わってきたよ。
その独自の文化や風土に、心から触れてみたいと感じたな。
俺なんかも、若い頃に沖縄に縁があったら、住んでいたかも・・・
その独自の文化や風土に、心から触れてみたいと感じたな。
俺なんかも、若い頃に沖縄に縁があったら、住んでいたかも・・・
Posted by FRON at 2007年01月16日 16:54
>FRONさん
まだまだ若いぞ~まだ間に合う…。
まだまだ若いぞ~まだ間に合う…。
Posted by 和家若造 at 2007年01月17日 13:54