シンデレラ裁判(脚本)~長文注意

和家若造

2011年12月14日 20:35

2011年12月1日、山田優樹さんの主催のドラマライブ2011セカンドに参加した際の若造作品「シンデレラ裁判」の脚本です。


 ◆ドラマライブ2011セカンド⇒その時の模様


登場人物
●シンデレラ(Kさん・写真左から2番目)
●検事(若造・写真写真右端)
●ウルフ先輩(ウルフ先輩ことグローブのYさん・写真右から2番目)
■ナレーター(Iさん・写真右端)


シンデレラ裁判

<ナレーター>
皆さん、あのシンデレラというお話に続きがあるのはご存知でしょうか?継母とその連れ子の姉たちにいじめられていたあのシンデレラ。舞踏会へ着ていく服が無いので、魔法使いに素敵なドレスとカボチャの馬車を出してもらったシンデレラ。その舞踏会で王子様に見初められたシンデレラ。魔法がとけちゃうので12時までに帰っておいでと言われていたシンデレラ。落としたガラスの靴のお陰で王子様に再会でき、めでたく結婚したシンデレラ。
楽しい結婚生活が続いたシンデレラ。そう楽しい結婚生活が3年間は…。
結婚3年たった彼女は今、法廷の被告人席にいるのです。

<検事>
(大きな声で!手を上げて)裁判長!

<ウルフ裁判長>
検事は、被告人への質門を許可します。

<検事>
(ゆっくりと)被告人、あなたのお名前はなんですか?

<シンデレラ>
シンデレラ。ミセス・シンデレラです。

<検事>
それは本名ですか?

<シンデレラ>
もちろんそうです。

<検事>
裁判長、被告はウソをついています。ここに彼女の戸籍謄本があります。
あなたの名前の欄には「エラ」と書かれています。「シンデレラ」は、あなたの継母がつけたニックネームですね。エラの前に「灰かぶり」という意味である「シンディー」という言葉をつけ、悪意をもって「シンデレラ」としたんじゃないんですか?
継母がその悪意を持ってつけたあだ名を今もなお、なぜわざわざ使っているのですか?

<シンデレラ>
「シンデレラ」はお母様から頂いた大切な名前だからです。

<検事>
あなたは将来入ってくるであろう、ディズニー映画の版権料や、グリム童話集の印税。シンデレラエキスプレスのJR広告収入、韓流ドラマの「シンデレラのお姉さん」の監修料、世界各国のシンデレラ城の家賃収入などを見越して、本名のエラではなく、さげすまれた自身の呼び名の「シンデレラ」を名乗り続けているのではないですか?

<シンデレラ>
いいえ違います。新しいお母様ができて、初めて頂いたものなので、私自身の本当の名前として大切に使わさせてもらっているんです。

<検事>
シンデレラさん、あなたは3年前の、その日の午後11時半頃、何をされていましたか?

<シンデレラ>
はい、舞踏会で王子様とダンスを踊らさせていただいておりました。

<検事>
あなたは、それまで意地の悪い継母と、その連れ子の二人の姉たちにたくさんの仕事をいいつけられていましたね。それは毎日でしたか?

<シンデレラ>
お母様とお姉さまたちは素敵な方々です。意地は悪くありませんが、仕事は朝早くから夜遅くまで、毎日おうせつかっておりました。

<検事>
あなたは3年前のあの舞踏会で素晴らしいダンスを披露したと、完璧なステップを踏んでいたと舞踏会に参加した多くの人たちが証言しています。
毎日、忙しく働いているあなたは、いつダンスの練習をする時間があったのですか?

<シンデレラ>
いいえ、練習をしたことはありません。

<検事>
裁判長、被告はウソをついています。
駅前のシャルウーダンス教室から出てくるあなたの姿を見たという人の証言を得ています。あなたはあたかも忙しく仕事をするふりをして、裏ではダンスを習っていたんじゃないんですか?

<シンデレラ>
違います。あれは、教室に通うお姉さまたちの衣装と着替えを届けていたんです。ダンスは…、ダンスは王子様が優しくリードしてくれたから踊れたんです。

<検事>
それでは、同じ日の午後11時59分、あなたは何をしていましたか?

<シンデレラ>
急いで、舞踏会の会場を抜けだそうとしていました。

<検事>
それはなぜですか?

<シンデレラ>
12時なると魔法がとけるからです。

<検事>
魔法がとけるとどうなるんですか?

<シンデレラ>
馬車はカボチャに、それを引く白馬は6匹のハツカネズミに戻ります。

<検事>
あなたが着ていた、きれいなドレスはどうなりますか?

<シンデレラ>
元の灰だらけのいつもの洋服に戻ります。

<検事>
実際に12時になるとどうなりましたか?

<シンデレラ>
はい、魔法がとけて、元に戻りました。

<検事>
それは本当ですか?

<シンデレラ>
はい本当です。

<検事>
そのことを証明してくれる人はいますか?

<シンデレラ>
いいえ、舞踏会の会場を出て、誰にも見られないようにかくれましたので、誰も見ていなかったと思います。

<検事>
その後、あなたは遠い自宅までどうやって帰りましたか?

<シンデレラ>
歩いて帰りました。

<検事>
あなたは舞踏会で王子さまとダンスを踊って入る時、どんな気持ちでしたか?

<シンデレラ>
とっても楽しくて、ずっとこのままでいたらどんなに嬉しいだろうと思いました。

<検事>
その時、王子様と「結婚したい」と思いましたか?

<シンデレラ>
いいえ、恐れ多くてそんなことは思いませんでした。

<検事>
あなたは、王子さまを誘惑するために、ダンスを踊っている時に、必要以上に体を密着させていましたね。

<シンデレラ>
いいえ、そんなことはありません。

<検事>
ここに「ガラスの靴」があります。これは誰のガラスの靴ですか?

<シンデレラ>
私の靴です。

<検事>
あなたは、この「ガラスの靴」を舞踏会の会場に忘れていますね。

<シンデレラ>
はい、階段に引っかかって脱げてしまいました。

<検事>
あなたは、あなたの毒牙にかかった王子さまが、あなたを探し出すであろうと知っていて、わざとガラスの靴を落としていったんじゃないんですか?

<シンデレラ>
いいえ違います。偶然引っかかりました。

<検事>
あなたは全く手がかりがないと探さない、探す気が起きないということを見越して、わざとガラスの靴を忘れていった。そうでしょう?

<シンデレラ>
いいえ違います。時間が迫っていたので拾えなかったんです。

<検事>
あなたは、その後自宅まで何時間も裸足で歩いて帰ることになると知っていながら、将来のお妃の地位を得るためにわざとガラスの靴を忘れていったんではないんですか?

<シンデレラ>
いいえ違います。魔法がとけてしまうのが怖かったので、靴が脱げたのを拾わずに走りました。

<検事>
裁判長、被告人はウソを言っています。
目撃者がいないことをいいことに、「12時丁度になったら魔法がとけた」と被告人は先ほど証言しました。しかし、このガラスの靴は魔法がとけずにそのままです。
(ちょっと間) もし彼女が言っていることが本当なら、このきれいなガラスの靴も12時になった段階で、以前の汚い靴に戻っているはずです。魔法がとけていない、元の汚い靴に戻っていないのは、このガラスの靴が、わざと忘れて王子さまに拾わせるために彼女が計画的に準備したものだからなのです。

<シンデレラ>
ヘン、ヘン(声にならない泣き声)

<検事>
ウルフ裁判長、判決を!

<ウルフ裁判長>
カンカン(カベルを叩く音)、判決を言い渡す。
被告人レラ、通称シンデレラを氏名詐称及び、計画的結婚詐欺罪で有罪とする。なお王子さまとの結婚は、3年間さかのぼって無効とする。
これにて閉廷。




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     どうして12時になってもガラスの靴は魔法がとけないかずっと不思議に思っていたんです~灰だらけのエラは本当の話です~~自作は灰だらけ人間、エム・エラ・エロを書こうかな~エロって
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