シリシリウリウリー15:サミットでは議題にならない不平等…

和家若造

2010年09月29日 16:15

サミットでは議題にならない不平等・不公平

 毎年2月プロ野球はキャンプイン。沖縄には全球団の半分が集結し、ファンにはうれしくてたまらない1ヶ月となる。キャンプ地巡りではテレビには出ない監督や選手の人間らしさを感じ、夜の街で出稽古中(自主トレかな)の面々に出会うこともあり、なかなか楽しい。この恵まれた環境のわりには沖縄では今ひとつプロ野球が盛り上がりに欠けると感じるのは私だけか…。

 沖縄でもやっぱり巨人ファンが多い。まだまだ地元にキャンプに来ているチームよりメディアの露出の高い方が人気である。でも彼らは日本一かわいそうな巨人ファンで東京ドームの試合をテレビで見ていない。日本テレビのネット局(他局と乗り合いのいわゆるクロスネットを含む)がないので、全国で唯一、地上波で東京ドームの巨人戦を見ることができないのがここ沖縄である。

 全国的に民放テレビのプロ野球中継の最大延長はほとんど21時24分までとなっている。放送終了後、すぐにラジオをつけたくなる時はかなりの盛り上がり中だが、去年は何度も落胆させられた。沖縄ではなんとラジオも途中で野球中継が打ち切られることが多い。ツーアウト満塁で一打逆転とか、後一球でゲームセットとかいう場面で何度涙を飲んだことか。結果は深夜のスポーツニュースでという寸止め地獄に耐え切れず、今では野球中継自体を見なくなった。台風により船や飛行機が欠航。そんな厳しい環境で暮らすとリアルタイム欲というのが薄れてくるのかもしれない。

 もちろんケーブルテレビやCS放送に加入してドームやその他の試合を観戦する熱狂的な野球ファンもいる。お金がかかる巨人ファンじゃなくて良かったとつくづく思うが、全国的な視野で見るとある意味、諸問題と肩を並べる不平等・不公平かもしれない。飲み屋のネーネーに野球はどこのファンと聞いた答えは「高校野球」。思わず納得の沖縄はもうすぐサミットです。

※沖縄JOHO 2000年6月号掲載
 



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