シリシリウリウリー13:ビニール袋を持って帰れません
ビニール袋を持って帰れません
青い熱帯魚?豚肉のお面?ブツブツのニガニガ緑色野菜?沖縄のスーパーマーケットには刺激がいっぱい。でも本土にはない珍品生鮮食料品はまた次の機会として今回は愚かな既成概念打破話。
まずは思い込み度の高い県産牛乳。紙パックは小さいのが500㏄、大きいのが1リットルと思いきや、表示をチェックすると各々473ccと946cc。ちょっと損した気分になるこの中途半端な量は1ポンド、2ポンドではなく、1/8ガロン、1/4ガロン。メートル法はどこ吹く風のこの単位、もちろん夕張メロンの切り方とは関係ない。
業務用を思わせるでかい袋の削り節と麩が所狭しと列ぶ充実の乾物売場。相対して漬け物売場はさみしいラインナップ。またステーキソースが並ぶソース売場には中濃ソースがない。聞き取り調査をするとトンカツソースとウスターソースの中間の濃さの便利もののこの中濃ソースの存在を知らない人がほとんど。
そして種類も数も豊富な豆腐売場。チャンプルーなどの炒め物料理によく合う島豆腐や完全に固まっていない状態のゆし豆腐。その手作り出来たてを感じさせる売られ方がすごい。ビニール袋に入れられ、手で結ばれ(中には結ばれていないのもある)さわるとまだ温かい。食品衛生法の基準に特例を設けさせたと言う話もあるが(未確認)、保存料が入っていないので当日使用が原則。 「そろそろ豆腐来た頃だから買っておいで」と母親に言われて時間に合わせてお遣いに来る子供。その横で素人はなかなか手が出せず、馴染みの冷えたパック入りの方に手がのびる。
会計後はレジ係の人が買ったものを袋に入れてくれる。曜日や時間でセルフサービスを実施している店もあるが、ほとんどの店で時間がかかり、並ぶ列が長くなる。この親切心はエレベーターの閉ボタン押したがりには我慢が必要。自立心のある短気者よりはのんびり屋の横着者の方が、確実に人口構成比が高い。日々刺激の沖縄ライフである。
※沖縄JOHO 2000年4月号掲載
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