シリシリウリウリー11:元気な白い雲を追いかけて

和家若造

2010年09月30日 16:11

元気な白い雲を追いかけて

 沖縄ではタクシーとわナンバーの車が目立つ。線路がないので本島内の移動は道路を使う乗り物が主流となる。レンタカー付きの手軽なパック旅行もあり、普段は車に乗らないペーパーリゾートドライバーも多い。そして青い空の下、地図を片手に元気な白い雲を追いかけているうちに「ここはどこ?」と観光客は戸惑う。不親切に交差点の名前が信号に付いていない。戦の時に攻めてきた相手に道をわからせない為ではなさそうだが、サミット関連の予算でなんとかならないかと願う。

 また本土では見かけない交差点での左折矢印信号。交差する側の右折矢印が青の時、直進側の左折矢印が青になる。一瞬の空白を賢く利用していると感動するが、慣れてくると左折専用ゾーンのある三車線の交差点はほんのわずかで、ほとんどが直進との併用車線ということに気付き、折角の左折信号も直進車が前にいて進まないというイライラにかわる。

 右折車が多いと感じるのは運転マナーによるものか。ほとんど止まりかけてから、または曲がり始めてからのウインカー点滅で後ろの車は立ち往生。前後の関係車両への意志表示ではなく、自分の確認の為にハンドルを回すついでに方向指示器を出しているなんて分析をしていると今度はウインカーさえ上げない車に出会い閉口。事故や工事での車線減少や側道から本道への合流の際に東京では暗黙の了解で1台づつ行儀良く入る。過剰分析すると地方出身者で編成される街では極力トラブルを回避、秩序が自然に生まれてくる…。逆に“入れさせない”というのが大阪の基本(笑)。そしてここ沖縄。1台ではなく2~3台、時にはそれ以上続けて入れさせることが多々。本人は優しい気持ち。後ろの私はトホホの気持ち。

 そこで入って来るの?という無理な進入は茶飯時。相手が止まってくれるという根拠のない信頼関係がある。スピードとストレスはほどほどに。運転でわじわじぃ(怒りの伴うイライラかな)するようではまだまだ沖縄ライフは若葉マーク。

※沖縄JOHO 2000年2月号掲載
 



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